心理作戦といこうか。
真琴は地元の役場には採用されなかったが、それなりに試験対策は組み立ててあり、俺のカリキュラムもすんなり受け入れてくれぐんぐんと点数が伸びていった。



『もしもし?玲くん?』

「はい。こんにちは。
 どうかしましたか?」

誰かと思ったら、真琴のお義母さんからの着信だった。

『さっきね、真琴から連絡があって採用されたみたいなの!!
 私も今、出先なんだけど玲くんにまず知らせたいと思ってね!
 どうも、ありがとう。』

「良かったです。
 真琴、弱音吐かずに頑張って勉強してましたからね。
 それで、あれですよね?
 真琴、一人暮らしになるってことですよね?
 もし良かったら、僕の近所に良さそうな物件を見つけたのでご紹介します。」

吉報だった。
次はアパートの手配だな。
それは殆んど探してあるから、そこへ引っ越させれば、問題ないな。
今回の一件で真琴の両親の信頼は勝ち取った。

『玲くん、ありがとう~
 本当に頼もしいわっ!』

「では、早速メールで詳細を添付します。
 引っ越しなど諸々と大変だと思うので協力出来る事は最善を尽くしますので、何でも言ってください。」

この数週間後に俺の紹介したアパートに真琴が引っ越して来た時は安堵した。
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