婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
私には、前世の記憶がある。
それに気が付いたのは、10歳の誕生日を迎えた頃だった。
その日、誕生日プレゼントを選ぼうと、父に連れられて街に出かけていた。
「好きなものを選ぶといい」と言った父は、おそらく髪飾りとか可愛らしいお人形なんかを想定していたと思う。
けれど、私が選んだのは、自分の片手では掴みきれないほど大きくて、綺麗な水晶玉だった。
雑貨店の片隅でそれを見つけた時、なぜかどうしようもなく欲しくなって、「本当にいいのか?」なんて数回やり取りした後、父に買ってもらったのだ。
流石にそれだけでは……と、父は水晶を入れておくのにちょうどよい、細工を凝らした木箱も買ってくれた。
それに気が付いたのは、10歳の誕生日を迎えた頃だった。
その日、誕生日プレゼントを選ぼうと、父に連れられて街に出かけていた。
「好きなものを選ぶといい」と言った父は、おそらく髪飾りとか可愛らしいお人形なんかを想定していたと思う。
けれど、私が選んだのは、自分の片手では掴みきれないほど大きくて、綺麗な水晶玉だった。
雑貨店の片隅でそれを見つけた時、なぜかどうしようもなく欲しくなって、「本当にいいのか?」なんて数回やり取りした後、父に買ってもらったのだ。
流石にそれだけでは……と、父は水晶を入れておくのにちょうどよい、細工を凝らした木箱も買ってくれた。