婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
息を潜めて外を伺っていた時、手に持っていた水晶がほんのりと光出した。

『……ラ……ィラ……』

「え?」

うっすらと聞こえる声は、確かに水晶から響いてきているようだ。

『……イラ……ライラ』

「うわっ」

元令嬢らしからぬ声を出して、思わずのけぞった。
だって、水晶の中にドリーが映ってるのよ!?しかもドアップで。
しっかり目が合ってるし……


『ライラ』

「は、はい」

『シャキッとせい!!」

「はいぃ!!」

『いいか、ライラ。このまま水晶を持って、馬車を降りるんだ』

「ひ、一人で逃げろと?」

さすがに戦力にはならないことぐらいわかっているけれど、一人で逃げるって狡くないかしら?

『なにを寝ぼけた事を言っとる。わしを、外で喚いとる生意気な魔女の所へ連れていけ』

「ミ、ミランダのところに?」

い、生け贄?まさかねぇ……

『早く!!』

「は、は、は、はい!!」

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