婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「あった……あったわ」
切り開かれた場所に、突然現れた一軒家のような建物を見つめた。
前世、日本の田舎で見られたような平家の家。しかも、部屋数が想像できないほど、大きくて立派なもの。
思わず目に涙が浮かんだのは、この状況だ、仕方がないと思う。とにかく安堵して、それと同時に疲労感も押し寄せてきて、その場にペタリと座り込んでしまった。
「大丈夫かな?」
「え?」
全く気配を感じていなかったなか、突然声をかけられて、慌てて辺りを見回した。
声の主は、私の左の斜め前にいた。
「怪我はしてない?」
そこにいたのは、10代ぐらいと思われる小柄な女性だった。
大きな目を心配そうに揺らして、こちらを覗き込んでくる。
「えっ、あっ、はい。怪我はないです」
「ちょっと疲れちゃってるのかな?私、そこの宿屋で働いてるの。よかったら中においで」
よかった。
やっぱりここが目指していた宿屋だ。
最後の力を振り絞って、彼女の後について入り口だという玄関をくぐった。
切り開かれた場所に、突然現れた一軒家のような建物を見つめた。
前世、日本の田舎で見られたような平家の家。しかも、部屋数が想像できないほど、大きくて立派なもの。
思わず目に涙が浮かんだのは、この状況だ、仕方がないと思う。とにかく安堵して、それと同時に疲労感も押し寄せてきて、その場にペタリと座り込んでしまった。
「大丈夫かな?」
「え?」
全く気配を感じていなかったなか、突然声をかけられて、慌てて辺りを見回した。
声の主は、私の左の斜め前にいた。
「怪我はしてない?」
そこにいたのは、10代ぐらいと思われる小柄な女性だった。
大きな目を心配そうに揺らして、こちらを覗き込んでくる。
「えっ、あっ、はい。怪我はないです」
「ちょっと疲れちゃってるのかな?私、そこの宿屋で働いてるの。よかったら中においで」
よかった。
やっぱりここが目指していた宿屋だ。
最後の力を振り絞って、彼女の後について入り口だという玄関をくぐった。