Livre magie〜桜色の魔女〜
その時、僕の頭にある作戦が浮かんだ。相手は海にいる。ということは、リオンと僕で力を合わせればーーー。

「リオン、弓に雷を溜めて海に放って!僕が首を斬り落とすから!」

僕がそう言うと、リオンは何を僕がしたいのかわかったらしい。真剣な顔で頷き、弓に「ドンナー!」と雷を溜め込んでいた。僕はすぐに物の怪の首が斬れるよう、近くを飛び続ける。

雷が溜まり、金色に輝いた弓が海中に向かって放たれる。刹那、バチンと大きな音が響き、物の怪が全身を痙攣させた。

「今だ、ノワール!」

「わかってるよ!」

僕は剣を握り締め、物の怪の首を一気に斬り付ける。バチバチと音が響いた。

塩水は電気を通すため、感電する。それを利用させてもらったんだ。うまくいってよかった。

「すごい!これで小説の外に帰れますね!」

そう笑うエリカは、どこか寂しそうだ。どうしたんだろう。

「エリカ?」

僕とリオンが訊ねると、エリカは少し俯いたまま口を開いた。
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