会長サマと、夢と恋。


……クッキーなんて、いつだって作る。
だからそれを渡す、きっかけを失いたくない。

「……会長」

「なんだ」

「これからも勉強、見てくれますか」

片付けをしながらも、先のことが不安で質問ばかりのわたしに会長はため息をつく。

「……あのな。お前、俺がなんで急いで推薦受けたか、気づかないのか」

「え?」

(会長が、推薦入試を受けた理由?)
考えてもわからなくて首をかしげるわたしに岸会長は、


「少しでも早く進路決めて、お前の勉強見る時間作るためだよ」

……って言った。

「えっ、……会長、あの」

ストレートにそんなことを言う会長に驚いて。
うまく言葉を返せずにいると、

「悪い。……らしくねぇこと言った」

と呟いた会長は、……顔も耳も真っ赤だった。

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