会長サマと、夢と恋。
さっきの、終業式の。それから、クラスの男子。
少ないヒントで、心当たりがあったのは。
「もしかして……会長あいさつのとき、見えてたんですか? わたしのこと」
終業式で、岸会長のうわさを聞いて、思わず大声をだしてしまったわたし。
すると、それまで壇上で話していた会長はイヤミっぽくあいさつを終えて、荒々しくマイクを置いたんだ。
「た……たまたま、話してるから目に付いたんだよ。何つーか……イライラするから、やめろ」
目の前の会長はこっちを見たりそらしたり、明らかに動揺している。
こんな姿、見たことない。
……あの広い体育館で、一年生から三年生までの全校生徒がいるなかで。
いくら壇上からとは言え、特定の一人を見つけられるものなのかな。
それに、「クラスの男子」ってことは……。
わたしが他の男子と話してるのを見て、会長はイライラしてた、ってこと?
「……とにかく、ああいうのはなんか、面白くない」
なにそれ、なんでそんなこと言うの。
そんなふうに、言われたら。
(それってもしかして、ヤキモチですか?)
って、聞いちゃいそうになる。
会長の言葉に深い意味なんてないって、わかってるけど……!
期待しちゃダメなのに、わたしの鼓動はどんどん大きくなる。
「あの、会長、怒ってますか?」
「……怒ってはない。……あ」
そう聞くと、会長は何か思いついたような表情になって。
「わかった。自分の飼い犬が、他の奴に尻尾振ってたら誰だって面白くないだろ。それと一緒だ」
そんなことを言ってきたから、ヤキモチかどうかなんて聞いても教えてくれないだろうな、と思った。