無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

特に私たちのことを不思議に思わなかったのか、それ以上聞いてることもなくお母さんはシュークリームを部屋に持ってきてくれた。

再び2人きりになり、なんだか気まずい空気が流れはじめた……かと思いきや、それは私だけだったようで。


隣の善は「んー」とキスをしようとしてくる。
目をつぶって顔を近づけてくる善に、思わず応えてしまいそうになる。

待って待って。
だって、さっきまであんなにしてたよね……?
それに……またいつお母さんが来るかわからない。



「いやだ?」



いくら待ってもキスしてこない私にしびれを切らした善が、眉毛を下げて私のことを見てくる。
そんな顔しないで……と切なくなる。


でも、やっぱり冷静になってみると、ここはかなり危険な場所なのかもしれない。
だって、ここはあくまでも私の家で、お母さんがいるんだから。

善の部屋だったからノックをしたけど、私の部屋だったらノックもせずに入ってきてたと思う。
キスしてるところを見られてたかもしれないと思うと……冷や汗が止まらない。

うかつにキスなんかできない。

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