壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
翌日から私は少しずつ筋力をつけていった。

刀を持ったところでまた落としてしまうからまずは小太刀を持つところから始めた。

小太刀を両手で持ち、胸の前まで上げて一定時間その状態を保つ。

そしてそれが長い時間できるようになったら両手で上まで突き上げてそれを思いっきり下へ振りかざす。

この素振りのようなものを続け、無くなった筋力をつけていった。

ぶれることなく小太刀を振ることができるようになったら、右手だけで小太刀をもてるように練習した。

そしてそれもできるようになったら右手だけで持ち、上から下へ振るといったように少しずつ訓練を続けた。

この間は刀を振るえない役立たずの私が三番隊の皆と見廻りに行くことはなかったので、幸いにも起きている間はすべてこれに費やすことができたので合間に腕立て伏せや屯所の庭を走ったりして筋力はもちろん、同じように衰えていた体力や持久力もつけた。
< 101 / 271 >

この作品をシェア

pagetop