エセ・ストラテジストは、奔走する
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「え、すご〜〜い!!
これが噂のエッグベネディクトね。美味しそう。」
「……」
「こういうの、上から撮った方が映える?」
「映えの写真撮ってどーするの?」
「インスタのストーリーにあげる。」
「お母さんインスタやってたの…!?」
「これからやるかもしれないじゃない。」
「な、なんなの…?」
もうこの人、とても疲れる。
朝の突拍子もない電話から数時間後。
この新幹線に乗りました、と過去形の呑気な連絡が来て私も茅人もいまいち状況を掴めていないままに、約束の時間に東京駅へ向かった。
「え〜どうしよう、東京久しぶりで緊張する〜〜!」
八重洲改札口で待ち構えていた私達は、またも呑気な感想を漏らした母に呆気に取られた。
「…お久しぶりです。」
「お久しぶりです。
茅人君またイケメンになったわね。そういうかっちりした服装も似合う。」
「その前に私達に言うこと無いの。」
反応に困ったように笑う茅人に申し訳なさが募る。
恨めしそうに凝視する私を一瞥した母は、「まあとりあえずランチ行こうよ、千歳のおすすめのお店教えて。」と、またもやマイペースに歩き出した。
この辺り何も分かってないくせに、そんな意気揚々とどこへ行く気だ。
「…茅人、あんな母でごめんね…」
「……いや。決着の付け所かな。」
「え?」
楽しそうに前を歩く母を見ながらそう呟いた茅人は、とても優しく微笑んで。
いまいちその言葉を理解できない私の髪をくしゃりと軽く乱した。