エセ・ストラテジストは、奔走する
"突然申し訳ありません。是枝 茅人です。
大学時代、ご挨拶させていただきましたが随分ご無沙汰しています。
……千歳から、何か連絡は来ていませんか。“
再び洪水になって溢れる涙をそれでも拭おうとしたら
美都に名前を呼ばれる。
「…それで私が、千歳ちゃんのお母さんにこっそり連絡したの。」
「……」
母からのおつかいも仕組まれていたのかとそこで気がついてまた、涙が出た。
「千歳ちゃん、本当にお別れはできたの?」
そうだ。
“そんな風に泣いたまま、自分の中でも整理がついてないまま、私からの承諾を“答え“にするのはやめなさい。“
断ち切るには、進むには。
___私は何もまだ、伝えてないし、
茅人から“答え“を貰ってない。
小休憩「辿るは、2人の軌跡」
「……頼りない頭脳さん。」
“誰が頼りないだよ。“
「作戦名、変えたいんだけど。」
“……へえ?何に?“
「告白大作戦。」
“………え、今更?“
「うるさいな。」
“具体的な作戦は?“
「_____ただ、走って茅人に会いに行く。」
“……お前、俺のこと言えねえよ。“
クツクツと喉奥で噛み締めるみたいな笑いが届いて、
目の前の美都も笑っている。
でも、面白いからグループ名変えとく、とGOサインを貰って。
釣られて、とっくにぐちゃぐちゃな顔だけど漸くちゃんと笑えた気がした。