エセ・ストラテジストは、奔走する
◽︎
「ただいま!!」
玄関先で大きな声でそう言ったら、
びっくりした顔で母が迎えてくれた。
「何あんた、トイレットペーパーは?」
「え、そのおつかいは本当だったの?」
「当たり前でしょうが。道草だけして買ってこなかったの?あんたよく東京で働けてるわね。」
通常運転の母がげんなりした顔で再び奥に戻ろうとするから、私はそれを呼び止めた。
「……お母さん、私、今から東京戻る。」
「…ほんと慌ただしいわね、何なの。」
「…どうなるか、分かんないけど。
ちゃんと“答え“は自分で、出してくる。」
そう言ったら、母は「そう」と笑った。
「……軍資金のことも、ちゃんとするから。」
「私、返済者の充てがあるんだけど。」
「え?」
母の返事が予想外でそう聞き返すと、溜息を吐いて。
「…あんた、私が“娘1人"でのぼせ上がった恋愛に、
お金まで出して協力すると思う?」
「……、」
「___茅人君が、ちゃんと私とお父さんに
挨拶に来てくれたからに決まってるでしょ。」
「ただいま!!」
玄関先で大きな声でそう言ったら、
びっくりした顔で母が迎えてくれた。
「何あんた、トイレットペーパーは?」
「え、そのおつかいは本当だったの?」
「当たり前でしょうが。道草だけして買ってこなかったの?あんたよく東京で働けてるわね。」
通常運転の母がげんなりした顔で再び奥に戻ろうとするから、私はそれを呼び止めた。
「……お母さん、私、今から東京戻る。」
「…ほんと慌ただしいわね、何なの。」
「…どうなるか、分かんないけど。
ちゃんと“答え“は自分で、出してくる。」
そう言ったら、母は「そう」と笑った。
「……軍資金のことも、ちゃんとするから。」
「私、返済者の充てがあるんだけど。」
「え?」
母の返事が予想外でそう聞き返すと、溜息を吐いて。
「…あんた、私が“娘1人"でのぼせ上がった恋愛に、
お金まで出して協力すると思う?」
「……、」
「___茅人君が、ちゃんと私とお父さんに
挨拶に来てくれたからに決まってるでしょ。」