エセ・ストラテジストは、奔走する
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何を、どう、伝えれば良いのか。
明くる日の朝、殆ど寝付けなかった身体を起こしながら自分の限りある語彙の中で考えを巡らせても、しっくりくる言葉は見つからない。
「茅人は朝が弱いね。」と、千歳はよく笑ったけど、やっぱりそれは、彼女が隣に居る時限定だと思う。
でもそういうこと全てを、
上手く伝える術が俺には無い。
そうやって、身支度をしている時も、東京駅に着いて駅舎を改めて見た時も、新幹線であの街へ向かう時間の中も。
言葉を整理しようとすればするほどに、千歳への気持ちは複雑に絡まって、やっぱりうまく答えを見つけられない。
千歳の地元まで、新幹線のある駅からそう遠くは無い。新幹線を降りて在来線に乗り換えて、漸くホームに降り立った時。
視線を何となく上げると、改札越しに、スマホを持って時刻表を眺める姿を見つけた。
他にどれだけ人が行き交っても、
彼女を見間違うことは絶対に無い。
「……千歳。」
愛しい名前を無意識の中で口にしたら、足は自然と進み始めていた。
まだ整理がちゃんと、できてない。
うまく伝えられないかもしれない。
でも、もうそれでも良い。
なんでも良い。
______千歳のこと、抱きしめたい。