望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。


「おい、何でお前が洗い物をしようとしているんだ」
「今日は色々と買ってくれたので、そのお礼みたいなものです」

「洗い物は俺の役割と決めただろう。守らなくてどうする」

「毎回しっかりと守る必要はありません」

「今日は俺がやる。飯を……美味しく、作ってくれたんだ」


 私から視線を外して、何処か照れくさそうに言う郁也さんを見て、さすがのわたしも固まってしまう。

 言葉にして伝えることがとことん苦手なようで、思わず笑みが溢れた。


「郁也さんのお口に合って良かったです。では、洗い物をお願いします」


 ご飯の前にお風呂を済ませたため、あとは寝るだけである。

 けれど郁也さんが洗い物をしている最中に部屋へ行くのは躊躇いがあったため、テレビを観ながらリビングのソファに座っていた。


 今日郁也さんが買ってくれたクッションを早速使おうと思い、袋から取り出して三毛猫クッションの抱き心地を確認してみる。

 縦に長いため、体にフィットしていい感じだ。
 生地もふわふわで気持ちいい。


「……んー」

 今日はそこまで早起きしていないはずなのに、何故か突然睡魔がやってきた。

 郁也さんとの買い物で疲れたのかなと思いつつ、買ったばかりのクッションがさらに私を眠りの世界へと連れていく。


 何度かゆっくりと瞬きを繰り返した後、耐えきれなくなった私はついに目を閉じて眠りについてしまった。

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