望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。
その日の夕食は、郁也さんが食べたいと言った鍋にした。
早速買ってもらった卓上鍋を洗って使い、鍋を作る。
何の鍋が食べたいのか、リクエストも聞き、キムチ鍋に決定した。
「郁也さん、できましたよ」
「ああ」
鍋敷きをテーブルに敷いて、朝と同じように互いに向かい合う形で座る。
「熱いので気をつけてくださいね」
「わかっている」
二人で夕食を食べるだけではなく、まさか同じ料理を分けて食べる日が来るとは。
人生、何があるのかわからないものである。
「辛くないですか?」
「大丈夫だ。普通に……食べやすい」
「それなら良かったです」
味については触れてこなかったけれど、郁也さんは進んで鍋を食べてくれたため、嫌いではない味だと思いたい。
特に会話をすることなく、静かな状況の中で鍋を食べる。
「最後はどうしますか?うどんでも雑炊でも作りますよ」
「雑炊で」
「チーズは入れますか?辛みを抑えてリゾット風にできますよ」
「じゃあそれを頼む」
「わかりました」
シメはご飯と溶いた卵、チーズをキムチ鍋のスープに加え、再度火をかけリゾット風に仕上げた。
少し量が多いかなと思ったけれど、郁也さんは最後まで残さず食べてくれた。