サプライズは素直に受け取って。

『大丈夫。僕がついているから。』

なんて心強い言葉なのだろう?
自分が男性に慣れていないからその分、そう感じてしまうのだろうか?

名前でさえも苗字呼び以外で男性を殆ど呼んだことのない私って本当に時代の流れに逆らってるなと自虐的になってしまう。

(ああ、でも。どうしよう。
まだ、決意が固まってないな…。)
懐かしく嬉しく思う反面、楽しく幸せな時を思い出す恐怖。

カランカラ~ンといつかの喫茶店の様に可愛らしく鳴るベルに懐かしくなり、家族で来たときの幸せの思い出が走馬灯の様に呼び起こされ、思わず泣きそうになる。

「いらっしゃいませッ!?
 あら!玲央君、待ってたのよ~!
 今日は素敵なガールフレンドとデートって聞いたけど、、、え!?」

私の顔を確認すると、どうやら憶えてくれたのか"お久しぶりです。"と"ご無沙汰して、すみません。"と言いう前に、突然抱き締められる。
ああ。もう、泣きそう。
震える身体を擦ってくれる彼女の優しさに涙を堪えるのが難しい。
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