サプライズは素直に受け取って。

約束の日の12:30。彼女を待たせるわけにはいかないので、約束より三十分前に待ち合わせの場所に着いた。
既にいないかと見渡すが、まだの模様。

(さすがにまだ…いない…よな…？)

もしかしたら、既に到着していて駅前の店内に入り時間を潰しているかもと思い駅周辺の店を覗くが……何処にも居ない。


仕方なく駅前に戻ろうとしたら、彼女が到着したのが見えた。
時計の針は12:50。
恐らく、姉である真野さんを探している様子で辺りを見渡したり、スマホを弄っている。

(可愛い。)

スマホから顔をあげると、途端に歩き始めたので、追いかける。
彼女に逃げられないように手を伸ばし、彼女の左腕を掴む。

(捕まえた！)

「何処行くの？
　ずっと待ってたし、此処に着いた時から四季ちゃんの事を見てたのに全然気付いてくれないのな。」

四季ちゃんに初めて触れることができた僕は天にも舞い上がりそうな気持ちを抑え込む。

「四季ちゃん？
　僕の事、忘れちゃった？」

驚きと衝撃とパニック…だろうな。。。