サプライズは素直に受け取って。
スタートラインに立てた僕はこれから、君を落とす為に準備を始める。
まずは…レストランの予約をし、今年は手伝いに行けない事を百合さんに伝える。
(22時か。今から大丈夫かな。)

スマホを操作し、お目当ての名前のところで通話ボタンを押す。
・・・
「はい!もしもし、佐山です。」
三コールで百合さんが出てくれた。

「もしもし。玲央です。
 いつもお世話になっております。」

「あら?玲央くん?
 珍しいわね。
 何かあったの?」

聞き慣れた声なのに普段と違う電話の内容で緊張感が高まる。

「百合さんにご相談があるのですが、今年のクリスマスイブの予約ってまだ間に合いますか?」

「あら~!
 玲央くん、もしかして、とうとうなの~
 もちろん、玲央くんの頼みならお安いご用よ!
 今年はお手伝いは頼めないわね。
 彼女に喜んで貰えるように私たち、はりきっちゃうわ~」

百合さんの優しさに泣きそうになる。
僕がどうしても彼女にしたい人を連れて行きます。
あなたのお店じゃないと意味がないから。
一つ目のお願いはお店の予約。

「はい。忙しいようでしたら何とかしますので。
 まあ。僕の人生を左右する女性を誘って伺います。
 それで、彼女の事で相談なのですが実は当日のクリスマスイブが誕生日でデザートのプレートに"happy birthday to しきちゃん"とチョコペンで書いて欲しいのですが…。」

二つ目のお願いはデザートプレート。
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