サプライズは素直に受け取って。
ふふふ。と聞こえると百合さんのスマホの向こう側で微笑む表情を思い浮かべる。
「もちろん!!
 良いわよ~
 彼女の名前はしきちゃんなのね!
 名前はアルファベットとひらがなはどちらがいいかしら?」

一つ返事で了承してくれる百合さんに感謝する。

「はい。名前はひらがなでお願いします。
 それと……。もう一つ良いですか?
 彼女はお酒が弱いので乾杯のシャンパンを以前、秀さんが彼女が出来たらオススメのシャンパンがあると話してたのですが…それをと。
 もし、アルコール度数が低くてお酒が弱い人でも飲めそうでしたら注文できますか?」

最後のお願いはこれ。
彼女はきっと、気を使ってお酒を飲めない事を言わないだろう。
そんな彼女を酔わせない為に。

「オッケー!
 秀さんに伝えておくわ!
 あの人、玲央くんが彼女を連れてくる日をまだかまだかとずーーっと首を長くして待ってるのよ。
 そんなあなたからの小さな願いならなんでもお手伝いするわよ!
 また、何か思い当たる事があったらなんでも言ってちょうだい。
 それにしても、素敵なプランね!
 泣けてきちゃうわ。」

と最後の言葉を口にするときに僅かに涙声になる百合さんにもう一度、感謝をする。
たくさんの見方をつけて君がどれ程の人から愛されているか教えよう。



無事にレストランの予約とちょっとしたお願いを約束して通話を終えた。

通話終了のボタンを押すときには気持ちがシャキッとした。
誠実に嘘偽りはなく君に気持ちを伝える覚悟をする。
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