サプライズは素直に受け取って。
真冬の夕方はそれはそれは冷え込む事を早く気が付けば良かったと後悔した。
なぜならば、工藤さんの鼻は真っ赤になり吐く息は白く少しだけ涙目になっていたから。
と、瞬間ーーーー
手を繋がれた。それも指が絡まるように。
前言撤回!!
咄嗟に離そうとするが、それは彼が許してくれず繋がった私の手の甲にチュッとした。
もう一度、離そうとしたがやはり無理だった。
(工藤さんって何者なのよ。)
"変態!!"と叫びたかったが、流石にこの時期のこの時間帯に男女二人で歩いていてその発言はなしかなと思い、喉の奥にしまいこんだ。
「今日は車で来たんだ。
寒いだろ?
さあ、乗って。」
私はそこまで冷たい人間ではなかったのかと、今日だけは自分に優しくしようと思った。