2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「私は、もちろん柊君ただ1人だったよ。この2年間、ずっと柊君だけを見て、よそ見なんか1度もしなかった」


私は、必死に言った。


「どうしてそんな窮屈になるの? 柚葉も、他の人と遊んだらいいよ。遊びなら僕は構わないよ。だってそうしたら、もっと僕のことが良く思えるだろ? 今、抱かれてるこの人より、柊君の方がいい……って。そうやって、僕はもっともっと柚葉に愛してもらいたいよ」


真面目な顔で、柊君はそう言った。
これは、嘘のない柊君の本当の感情なんだろう。


もう、何を言っても無駄なように思えた。


「柊、もう、止めろよ。柚葉に、お前の気持ちを押し付けても無理だ」


樹さんは立ち上がった。


「樹……。僕らは双子なんだから、お前にはわかるよね? 僕は柚葉を愛してる。他の女性も好きだけど、ただ好きなだけで、決して愛してはいないんだ。ただの遊び。遊びの女を抱いて、その時に僕は柚葉の方がいいって……いつだってそう思ってるんだよ。そのおかげでどんどん柚葉を好きになっていくんだ」
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