お前の隣は俺だけのもの。
……眠れなかった。

ぼーっと、ベッドで夜が明けることを待っていた。

昨日の碧の話を聞いてから、どんな顔をして碧に接すればいいのか分からなくなった。


カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいる。

そろそろ起きて、学校の支度をしなくちゃ……。


のろのろと、学校の支度をする。

部屋を出て、リビングへ向かえば静かな空間が広がっていた。


碧は……?

碧に会いたくない。

そう思う反面、碧のことだけを考えてしまう。


ソファ前のテーブルに近づくと、メモ用紙が置いてあった。


『仕事に行ってくる。昨日の話は忘れて』


碧の字。

メモが置かれていたのは初めてだった。


わざわざ書いてくれたんだ……。


喜ぶ反面、寂しくなった。

私は自分のことばかりで碧のことを、なにも知らない。
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