お前の隣は俺だけのもの。
学校に着くと、最初に向かったのは自分の教室。

潤は登校しているだろうか、と少し期待したけれど、潤の姿はなかった。


次は、2年3組へ向かう。


怜央……。

教室にいて欲しい。

女の子に囲まれてヘラヘラしていてもいいから。


いや。

女の子に囲まれている怜央を連れ出すのは至難の業の気がするけれど。


まあ、多分大丈夫。

……多分。


怜央がひとりで読書していることはないだろうけれど、本を読んでいてくれたらありがたい。


そう願いながら、2年3組の教室をのぞいてみる。


……怜央はどこだ?

教室をのぞいている私を好奇の目で見ている2年3組のみなさん。

まあ、怪しい人に見えるのは仕方ないと思うけれど。

私は怜央を探しているんだ!

堂々と怪しい人になってやろうじゃん!


気合を入れなおして教室をのぞいていると。



「陽菜ちゃん?」



後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえて驚く私。

振り返れば、不思議そうな顔をした怜央が立っていた。
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