どうしたら人を愛せますか
ペット
15.ペット

夜8時を回った頃。仕事を終えると、馨はバーへとむかった。

ゆかりのことだから、研修帰りに、飲みに来るかもしれないと思ったから。

『マスターこんばんわわ』

店へ入るなりマスターに挨拶すると
『この前はゆかりちゃん送っていってくれたかな、?狼にはなってないだろね』 

一応常連客なんだから心配して当然だ

『マスター実は
送ろうとは思ってたんですけど、タクシーで寝落ちして、』
『まさか』

マスターは話しに興味津々

『仕方なく、俺の家につれていくしかなくて、連れていったのはいいんですが、何もなかったんですけど、それから、ずっと俺の家に居座ってます』

マスターは話を聞いて、爆笑してる

『ということは、馨くんは、ゆかりちゃんと、つきあってるのかな?』

『付き合うとかじゃなくて
ペット?みたいなもんで』

マスターは不思議そうな顔をしながら、
『ゆかりちゃんを買い初めてどうなの?』

『どうなの?というか
朝は、玄関先まで走ってきて飛び付かれて、餌は自分でたべてくれるし、帰ったら、丸まって寝てるし、じゃれてくるし。
ホント猫みたいで。』

『馨くんは大丈夫なのか?』

大丈夫なのかと言われたら大丈夫な気もするが。

『とりあえず、彼女とかだとあれこれ、求められてこまるけど、ゆかりは、天真爛漫というか、一緒にいて、嫌だとは思わないというか。』

マスターはお酒を作り、話の続きを聞きたそうにしてる

『いつまで、いるかはわからないけど、別に困らないし、若い子に抱きつかれて嫌な気分はしないのでいいかな?とおもってます。』

『ゆかりちゃんを置いてここに、飲みに来ていいのかい?一緒に来たら良かったのに』

『今日は研修で遅くなるといってましたから。きっと、ここによるんじゃないかとおもって』

ゆかりは、平日は、お酒は飲まないし、帰って来てるのが何時かわからないが、テレビを見てすぐ寝てしまうパターンのようだ。

『連絡してみたら?』

マスターに言われたが
『連絡先教えたけど、一回も連絡ないから、自分からかけるのもなんだか』

『不思議な二人だね』

そうですよね?、とおもいつつ、お酒を飲んでるとお店のドアが空いた

「マスターただいま」

ゆかりがきた。
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