どうしたら人を愛せますか
愚痴
2,愚痴

無事に、祐司から解放された、ゆかりはいつものバーへ、向かった。

「今日も飲むしかない。解放された記念日だ」

足取りは軽やかに
バーへ向かった。

「マスター、今日も話聞いてくれますか?」

ここは。私の行きつけのバー。
60才くらいの、マスターはほんとに聞き上手。
だまって、私の話を聞いてくれる。この居心地についつい甘えてる私。

『ゆかりちゃん、いらっしゃい。今日もカウンターでいいかな??』

「はい。マスターに会いたかったよ」

『話を聞いてほしかったの間違いだろ?』

あっ
完全にマスターにはバレてます。
『ゆかりちゃん、今日も、どうしたのかな?』

さすがマスター。話が早い。

「実は今日、男と別れまして。別れたと言うか、始まっていたのかもよくわからないけど。
基本仕事で忙しいから、男に、邪魔されるのも嫌だし。時間作るのも、もったいないし。
相手、結婚してるのに、関係求めてくるし。
別に、私、やりたい訳じゃないですよ。キスして、ハグさえして、充電させてもらえればいいと言うか」

捲し立てるように、マスターにしゃべる私は、ビールを一気のみ

『ゆかりちゃん、それじゃあ結婚できないよ。』

なんとなく、というか、気づいてました。
今時高校生でも進んでるのに、キスして、ハグされて満足する男はいない

「マスター。わかってるんですよ。でも、そんな都合のいい男がいいんです」

『若いのばかり、付き合ってるから、うまくいかないんじゃないか。
少しは年の離れて。落ち着いた人の方がいいかもしれないね』

あっ、確かに
若いと性欲の塊
お酒の飲んで楽しく会話して、キスして、ハグして、またねという展開にはなるはずないよね。

「マスター。次はおじさまにする」

『ゆかりちゃん、
単純だね。』

マスターはとことん飲みなさいと言わんばかりに、次々お酒を作ってくれる。
何も言わなくても
私が飲みたいものもわかってる。

「マスターといると、居心地がいいよ。
たしかに、年上最高かもしれない」

『ゆかりちゃん、僕に惚れないでくれよ。』

「それはないです。
癒しの場所がなくなりますから。」

マスターは
ありがとうと言わんばかりにお辞儀をした。

< 2 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop