冷徹ドクターに捨てられたはずが、赤ちゃんごと溺愛抱擁されています
胸が締め付けられるように痛い。彼の胸の温かさを思い出してしまう。甘い吐息交じりりの声で『好きだよ』と言う翔平の声が何度も頭の中でリフレインする。幸せを知ってしまった今の自分が、彼から離れることなんてできない。
でも西尾さんはわたしが彼の足かせになっているとはっきり言った。
翔平に相談するべきなのかもしれない。でも言ったところできっと彼はわたしたちに気を使って彼の本当にしたいことを聞き出すことができないだろう。
だからわたしが考えなきゃ。
ベッドの中で天井をじっと見つめてどうするべきか考えてると、枕元においてあるスマートフォンに翔平からメッセージが届いた。
けれどその内容を確認することすらできない。
わたしはいったいどうすればいいの? どうすれば、みんな幸せになれるの?
その夜わたしは、自問自答を繰り返した。
あの日以来、わたしはずーっと考えている。気が付けば考えすぎてしまっていてぼーっとしていることも多い。だけど家事も育児も仕事も待ってくれない。忙しい時間は無心になって目の前のことをこなして、頭から翔平のことを追い出した。
彼もちょうど忙しいようで、仕事が終わる時間が遅く会いに来る機会もなかった。会ってしまったら、まとまりかけた自分の考えがまたぐらつきそうで、ひとりで考える時間が持ててありがたかった。
それに……今は仕事に集中したい。せっかくもらえたチャンスなのだから。
今日は面接の日だ。わたしの企画書は無事合格点をもらえ、面接試験まで進むことができた。今日は気合を入れるためにスーツを着て出勤し、午後からの面接に備えてできる仕事は午前中のうちに全部終わらせた。
十四時前。あと一時間で面接がはじまるというときに、わたしのスマートフォンに保育園から電話があった。
急いで廊下に出て電話に出る。
この時間の電話……嫌な予感がする。
「……もしもし。山科です」
《悠翔くんのお母さん。実は悠翔くんお熱があるようでして、お迎えに来ていただきたくてお電話したんです》
やっぱり……わたしはがっくりと肩を落とした。どうして今日なの? せめて明日にしてくれれば……そう思う。
「……はい。わかりました」
落胆したわたしは、短く返事をして電話を切った。こんな日に限って父と母は親戚の葬儀で遠方に出かけている。代わりのお迎えを頼むことはできない。
でも西尾さんはわたしが彼の足かせになっているとはっきり言った。
翔平に相談するべきなのかもしれない。でも言ったところできっと彼はわたしたちに気を使って彼の本当にしたいことを聞き出すことができないだろう。
だからわたしが考えなきゃ。
ベッドの中で天井をじっと見つめてどうするべきか考えてると、枕元においてあるスマートフォンに翔平からメッセージが届いた。
けれどその内容を確認することすらできない。
わたしはいったいどうすればいいの? どうすれば、みんな幸せになれるの?
その夜わたしは、自問自答を繰り返した。
あの日以来、わたしはずーっと考えている。気が付けば考えすぎてしまっていてぼーっとしていることも多い。だけど家事も育児も仕事も待ってくれない。忙しい時間は無心になって目の前のことをこなして、頭から翔平のことを追い出した。
彼もちょうど忙しいようで、仕事が終わる時間が遅く会いに来る機会もなかった。会ってしまったら、まとまりかけた自分の考えがまたぐらつきそうで、ひとりで考える時間が持ててありがたかった。
それに……今は仕事に集中したい。せっかくもらえたチャンスなのだから。
今日は面接の日だ。わたしの企画書は無事合格点をもらえ、面接試験まで進むことができた。今日は気合を入れるためにスーツを着て出勤し、午後からの面接に備えてできる仕事は午前中のうちに全部終わらせた。
十四時前。あと一時間で面接がはじまるというときに、わたしのスマートフォンに保育園から電話があった。
急いで廊下に出て電話に出る。
この時間の電話……嫌な予感がする。
「……もしもし。山科です」
《悠翔くんのお母さん。実は悠翔くんお熱があるようでして、お迎えに来ていただきたくてお電話したんです》
やっぱり……わたしはがっくりと肩を落とした。どうして今日なの? せめて明日にしてくれれば……そう思う。
「……はい。わかりました」
落胆したわたしは、短く返事をして電話を切った。こんな日に限って父と母は親戚の葬儀で遠方に出かけている。代わりのお迎えを頼むことはできない。