小説「グレイなる一族」

エピソード55 「マロンの帰国」

エピソード55 「マロンの帰国」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私の頭の上で立たないでください♪
だってそこは、お立ち台なんかじゃありません

グレイの気持ちになって♪グレイの気持ちになって♪である。

「マロン」が久々にこの「グレイランド」に帰国してきた。今この国は、建国して以来始まっての大人数が一同に集まっている。「グランマ」、「セバスチャン」、「ノリィーアントワネット」、「プーちゃん」、「エリス」、そして「マロン」だ。ここに、「アーノルド」や「マーガレット」などが加わるとはっきり言って八月の一番暑い日がなおさら暑く感じるくらいだ。

マロン「ただいま!」

グランマ、セバスチャン、ノリィーアントワネット、プーちゃん、エリス、アーノルド、マーガレット 「おかえり!!」

「マロン」と「エリス」は、初対面である。「エリス」の「エリススマイル」は、「マロン」をやっぱり虜にしていくが、「エリス」は「マロン」に抱っこされると泣き喚いてしまったのだ。確かに、「マロン」は目の上の眉毛が薄く髪の毛の量も少ないので、「エリス」にとっては脅威に写ってしまったのだろう・・

今、この国は、「エリス」が泣き、「プーちゃん」がプーたれ、「ノリィー」が吠え、「アーノルド」が叫び、「マーガレット」が喚き、「グランマ」が微笑み、「セバスチャン」が寝ている、そんな状況なのである。さすがにこれだけの民衆が一同に集まると、この「グレイランド」もいささか狭苦しく感じ尚且つ一番暑い夏がとても暑い夏に感じるが、私という由緒正しき誇り高き高貴な生き物は、あえてそれを口に出さないだけの広き心を持っているのであえて口に出さないのだ。

「グランマ」曰く、この国に全ての民衆が一同に集まるのは、数年ぶりらしく彼女はとてもはりきっているらしいのだ。「マロン」は抱っこしようとする「エリス」に泣いて拒否されると、私の元に近づいてきて、私の頭を撫でながらこう言った・・

マロン「いやー久しぶりだな・・しかし、また太ってないか?」

余計なお世話だ・・
それに私は太っているのではない貫禄があるのだという事を重ね重ね言っておく・・

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