小説「グレイなる一族」
エピソード銃 「グレイなる陰」
エピソード銃 「グレイなる蔭」


I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、ある日悪の秘密結社から「グレイランド」を守るため立ち上がった
誇り高き生き物だ。

どうやら「マロン」は故郷の中国に帰るらしい。随分仲の良かった「アーノルド」も
実に寂しそうにしているではないか。思えば「マロン」がこの国に来てから、数多の死闘
を私と「マロン」は繰り返したものだ。ただ今98勝2敗の好成績で勝ち越してはいるが、
私をピンチに陥れたのも彼をおいて他にいないのではないだろうか?しかし昨日の友は
今日の友、お互い誇り高き生き物同士通じあえるものがあるのかもしれない。今じゃすっかり
昔ながらの戦友みたいなものだ、想い返せば常に「グランマ」の目を盗みあの大きな手でカツオ節を食器に沢山入れてくれた事・・あの大きな掌で沢山の煮干を摘まんで食器に入れてくれた事・・もう明日から昨日までの幸せな日々が無くなるのかと想うと、ちょっぴり憂鬱だいつのまにか、君は私にとって偉大なんだ。

「ありがとう・・君(マロン)を忘れない・・さらば戦友よ(マロン)・・安らかに眠れ・・。」

こうして、「マロン」は故郷に帰っていった。「マロン」が帰った後、「グレイランド」内ではある事項で騒然となったのだ、ある事項とは私のプロフィールに関してなのだ。今更何をそんな事で論議する必要があるのだろうか?私は私という生き物でそれ以上それ以下でもない。

そんな事はわかりきった事ではないのかね?違うかな?
私はこの「グレイランド」の長になるべくして生まれてきた者それ以上の存在価値
がこの世界に必要なのだろうか?

いくら私は声を大にしても、一向にこの論議の終着しそうにない・
知りたければ探すがいい。私は逃げも隠れもしないぞ。
遂に私は、「セバスチャン」と「グランマ」にグレイランド広場で
身体検査を受ける羽目になったのだ。彼らは私の身体を隅から隅までその大きな眼で調べ
ている。まったく誇り高きこの「グレイランド」の長になんたる事を、私の「グレイクロー」が健在なれば一刀両断にしてくれるとこだぞ!

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