小説「グレイなる一族」
「僕は無実だ・・うっ耐えてやる。」

私の名は、グレイである。
最近気にしている事 ポタポタプタプタプクプクという人の声

警察での取調べも終わり、すぐ帰れると思いきやこの時作成された調書が仇となり起訴
となるか不起訴となるかは、検察の手に委ねられる事になりそうだ。このままでは一人で
闘うには、いくらなんでも大きな権力に対して無力であり、私は被疑者に認められた国選
弁護士に連絡を取ってもらい、どうすればいいのか相談してみようと行動した。

どうやら国選弁護人とは明日面会できるらしい。

拘置所の中での私に与えられた生活は少し卑屈であり、何が卑屈であるかというとまず
食事である。食事は日に三度しか与えられない今までの暮らしの半分以下である。次に
一番絞りの水は、原則的に認められない食事に付加されている水2.5ℓで我慢しなけれ
ばならない・・もっとも困った事はトイレである。いつもトイレがいっぱいになると自分でトイ
レの壁に設置されたインターホンのボタンを押し係員に大きな声で・・

「拘置所No901号です」

「なんだ901号?」

「もうトイレが一杯です・・砂を変えてください。」

「明日の朝まで我慢しなさい」

「でもトイレが出来ません」

「まだ隅の方が使える・・資源を大切に」

とTVCMのような終わり方をする本当はトイレをした後はウオシュレットで私の聖域(サンクチュアリ)を綺麗に洗浄したいがそんなもんはもちろん此処になく私の舌もサンクチュアリにお腹の貫禄が邪魔しているので届いてはくれない。

拘置所の中とは、万事がこのような感じで物事が行われていく一度私がお昼寝している
時は、

「901号!勝手に横になってはいけません!起きなさい。」

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