小説「グレイなる一族」
容疑者グレイをこうやって、論理的な思考とマシンガントークで追い詰めてゆく、検察官
ノリィはさらに続けて尋問するがここでノリィーの尋問を遮る者がいた。

「ちょっと待って、鉛筆の芯が折れた」

先ほどから、ノートに記録をしていたアノル・ドーがこの展開の速さに鉛筆の芯を折って
しまったのだ。アノル・ドーは、筆箱から¥50円で売っている鉛筆削りで鉛筆を削り始めた。
その間は、沸騰している容疑者グレイの頭が冷静になっていく。

ここで検察官ノリィーは、得意の戦法で容疑者を落としてしまおうと考えた・・

「グレイさん、素直に自分が猫だと認めれば不起訴となって直にグレイランドに帰れますよ。」

検察官ノリィーは、司法取引を容疑者に提案したのだ。

「僕は猫じゃないと何度も言っているでしょ!」

強情な容疑者グレイは司法取引にまったく応じず、検察官ノリィーは決断した。

「はい!起訴」

検察官ノリィーは、裁判所で徹底的に容疑者を追及していく事になる。

「どうして、信じてくれないのだ・・それでも僕は猫じゃない」

私は、冷静さを保つ為に右手を舐めて顔を洗った・・その次の日は雨だった。

―サイドビジョン5へ続くー

< 204 / 211 >

この作品をシェア

pagetop