小説「グレイなる一族」

サイドビジョン5 「判決トトロ、それは猫じゃない」

サイドビジョン5 「判決トトロ・・それは猫じゃない」

私の名は グレイである。
最近失敗した事、トイレでウン×が砂場に着地しなかった事

検察官ノリィーの起訴決定が決まってしまい私と言う由緒正しき誇り高き高貴な生き物は、裁判で自身の潔白を牛乳の白のようになるように闘わなくてはいけなくなった。勿論私と言う由緒正しき誇り高き高貴な生き物というものは、裁判など経験した事ないのである。

知恵が無くては、無実勝訴を勝ち取ることが出来ないのは誰の目から見ても明らかである。

とりあえず、こないだは全然いい加減だった国選弁護人のセバス・チャンへの面会を拘置所の係員に頼み謁見出来るように取り計らってもらった。本当は、国選弁護人と言うと、最後の弁護人と言われる阿部寛か今話題の映画HEROのくりおこうへいみたいな人に頼りたいものだが(くりおこうへいは弁護士ではなく通販好きの検察官である笑、いくら前回が寝ぐせもスーツも着ないセバス・チャンとはいえ頼れる物はもはや彼しかいないのである。

「901号!国選弁護人との謁見の時間だ。」

「はい!」

謁見の時間は、裁判の一日前に行われた。私は謁見室に歩いて行く途中でもう裁判が始まるというのに余裕で一日前に時間の都合をつけてきた。セバス・チャンを不安視しているが、さすがに明日から裁判が始まるのだと思うと、いくら彼だって、寝ぐせを治しスーツに着替えて奥の手ともいえる戦法を携えて、私に逢いに来るはずだと思っている。

腐っても弁護人である。報酬が少なくても国選弁護人である・・

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