小説「グレイなる一族」
もう一度「セバスチャン」に挑戦してみる必要がある。ふん+思考だ+思考だ・・前回の事もあるし次は二割五分にヒットする可能性はどう考えても高いのだ。
私は、再度「セバスチャン」の足元に近づき甘え甘えを行ってみた。今回は一度キス攻撃
は受けているので本日中にもう一度その攻撃を受ける事は、比較的低いと読み切っての
行動だ。同じ過ちを繰り返す事などこの「グレイ頭脳」があれば無きに等しいのだ。

セバスチャン[うん・・また?今日は良く甘えるね・・]

「セバスチャン」はそう言うと、おもむろに私の身体を両手で掴んで抱き寄せた・・

大丈夫・・ここまでは予想の範囲以内である。しかしこの後が肝心なのだ、「グレイ語」の使えない「セバスチャン」にどうやって、私の思いを理解させるか?そこが問題なのだ。とりあえず私は、前回のように素直に訴えてみた。

グレイ「い・ち・ば・ん・し・ぼ・り・の・み・ず・が・の・み・た・い・ん・で・す・け・ど・・・」
セバスチャン[あ・な・た・が・す・き・で・す・こ・の・ま・ま・だ・っこ・し・て・く・だ・さ・い」  

ダメだ・・問題が空回りしている。文字数自体も全然あってないではないか・・戦法を少し変えなければゴールなど永遠に見えて気はしない・・

そこで私はこう訴えた。

グレイ「そ・う・で・す・好き(棒読)・だ・か・ら・み・ず・頂戴!」
セバスチャン[そうかそんなに俺の事が好きか・・分かったぞ・・]

一見なんか理解し合ってるようだが、全然大事な事を「セバスチャン」は分かってくれてないじゃない。ちょっと今私軽く「イラ」っと来てます。来てます。



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