小説「グレイなる一族」
エピソード3重壱 「グレイなる回帰」
エピソード3重壱 「グレイなる回帰」 
 
I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、愛と勇気とカツオ節の量によって、この「グレイランド」の平和を守る者である。

どうやら、「マロン」がまた中国大陸に出国する気でいるらしい・・

「マロン」は、大きなトランクケースに荷物をいれ準備している、私はそのすぐ側で
「マロン」と過ごした月日をゆっくりと回想している、あの大きな手で私の食器にカツオ節が配給されてくれた事、そのカツオ節の量は「マロン効果」によって、1.5倍増量だった事、「マロン」はいつも朝早起き者なので「グランマ」が、おきだす前にかつぶしを配給してもらい「グランマ」が起きだしてから、再度カツオ節の配給が行われた事、すべてはいい思い出なのである。

そんな日も「マロン」が「グレイランド」から旅立てば失われてしまうのは
言うまでも無い。

「マロン」がトランクケースに色々な物を詰めているのどうせなら私も「マロン」と共に旅立とうと私もトランクケースの中に入って、連れてけという事をアピールしてみた、
すると・・

マロン「こら・・邪魔するでない・・お前はいらん!!」

私の身体は「マロン」によって、直ぐに外に出されてしまった。この後数回ほどそれに
私はチャレンジしてみたのだが・・結果は惨敗である。まあ私にはこの「グレイランド」の平和を守る勤めがあるので仕方のない事なのだが・・

旅立ちの日、「マロン」は「グランマ」の車に乗って中国大陸へと向かった。

さようなら、「1.5倍増量だった日々よ・・」

「グランマ」が「マロン」を見送り終え、「グレイランド」に戻ってくると私の身体を膝
の上に乗せ・・思い切り説教し始めたではないか?

グランマ[グレイちゃんアンタ毎朝・・お父さんからも朝食もらっていたでしょう・・]
グレイ「ギク!!何の事」

私は、知らないフリをして顔をそっぽ向けたのだが「グランマ」は私のお腹を摩り
ながらこう呟いた。

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