小説「グレイなる一族」
エピソード三拾参 「グレイなる貫禄」
エピソード三拾弐 「グレイなる貫禄」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私はまたしても「グランマ」の膝の上で小言を聞かされている

彼女は自分の膝の上で私の身体を仰向けにすると私のお腹を摩りながら私に小言を延々と繰り返すのである。私のお腹周辺は現在、体毛が少なくなって地肌がよく見える状態となっている。これは、「グレイランド」の長に相応しい貫禄を身に付ける為に、食事を沢山とりすぎ思ったよりも貫禄がついてしまい、歩く度にその周辺が床などに擦れた事が原因なのであるが、それを「グランマ」は小言にしてしまうのである。

やれプクプクだの・・ポタポタだな・・太りすぎだの・・
この小言に終わりが見える気配がないのである。

しかし、私は思うのだが「グランマ」のお腹だって、プクプクでありポタポタであり太りすぎの大きなお腹なのである。まるで私という生き物がその中にすっぽりと入れてしまうのではないか?思えるくらい見事なお腹なのである。

どうして私だけがこんなにも小言を聞かされなければならないのか?
この不合理に対する答えは見つかりそうもない・・

私はあんまりこの小言が繰り返されるのでまた耳を塞ぎ目を閉じ現実逃避を
するための瞑想に入るのであった。

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