蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
「心美が……
マネージャーの家にいるのかよ……」
「だから、綺月に看病を頼んでるの!」
「好きな子の面倒くらい、見れるでしょ!」
と、言いながら
鍵を拾ったマネージャーに
俺は弱々しい声を返す。
「マネージャーは、知らないわけ……?
俺と心美が……別れたこと……」
「知ってるわよ、それくらい」
「俺なんかが会いに行ったら……
心美の奴、また傷つくし……」
「そうかもね」
「俺じゃなくて、天音に頼んだ方が……」
心美も、安心して眠れるんじゃ……
言葉を紡げば紡ぐほど
情けなく、俺の背中は曲がっていって。
床を見つめ、
顔を歪めることしかできない俺。
そんな俺に喝を入れるように
マネージャーが
俺の背中を、思いっきり叩いた。