蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



「午後の授業サボって、斎藤と心美が
 空き教室で密会してるウワサを、聞いたから」


「それ、私じゃないよ」



 両手を振って。
 首までブンブン振って。
 
 必死に『人違いだよ』って
 アピールをしてみたけれど。


 私に背中を向けたままの綺月君には、
 届かない。




 でも……


 相手が優梨愛ちゃんだってことは、
 綺月君にも言えないよ。


 誰にも言わないでって、
 二人にお願いされたから。




「俺の勘違いだって……
 ちゃんとわかったから……」


「本当にごめん」と、
 声を震えさせた綺月君は。
 
 まだ布団に顔を伏せたまま

 私の方を
 見ようとさえしてくれない。


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