蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
後ろから抱きしめられたまま。
綺月君は
自分の頬を私の頭に押し当てた。
血液と共に
幸福感が体中をめぐって。
全身を包む綺月君の温もりに、
心が溶かされそうになる。
綺月君が私とうまく付き合っていくために、
歩み寄ってくれたのは、すごく嬉しい。
でも……
「私ね……
綺月君が嫌だなって思うことも……
したくないよ……」
嫉妬で苦しいのに、
綺月君が無理やり笑う姿なんて、
見たくないし……
「じゃあ。
俺が嫉妬で狂いそうになったら、
思いっきり俺のことを抱きしめて」
「こんな感じで」と言いながら、
綺月君は抱きしめる腕に、力を籠めた。
「痛いよ」と本音をもらした私に、
「ごめんごめん」と言いながら、
イジワルそうに瞳を揺らしている。
綺月君の笑い声が、私の脳に届き。
安心して。嬉しくなって。
私の瞳から、涙がこぼれそうになった。