天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「先ほどオペは終わられたみたいですけど」


 もう赤ちゃんは病室に戻っている。


「医局にも外来にもいないのよね。PHSもつながらなくて。薬の指示が欲しいんだけど」


 私は主任と一緒に首をひねった。

 休憩してるのかな。
 でも、それなら電話に出るだろう。


「捜してきましょうか?」
「大至急ってわけでもないから、院内放送をかけるのもちょっと。お願いできる?」
「わかりました」


 私は脳外科病棟を飛び出して、まずは医局に向かった。
 主任も捜したようだけど、すれ違っている可能性もあるからだ。

 ノックをして部屋に入るも誰もいない。
 奥の仮眠室ものぞいたがベッドは空だった。


「うーん。オペ室?」


 もうとっくに引き上げていてもおかしくはないけれど、一応と思い足を向ける。

 エレベーターを降りると、どこからか陽貴さんの声がして辺りを見回した。


 階段?

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