天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 腹腔鏡のオペで一目置かれている彼は、多くの病院から破格の報酬を提示されてのお誘いがあったようだ。

 けれども初志貫徹で、実家の病院を継ぐことに決めたという。


「アイツ、陽貴さんって呼ばれてるんだ」
「あ……」


 日高先生がクスッと笑みを漏らすので、恥ずかしすぎて顔から火が出そうだ。


「ちっとも結婚しないから独身主義なのかと思ったけど、一途だったんだな。ずっと香月さんの話は聞いてたんだよ」
「私の?」


 陽貴さん、なんの話をしていたの?


「いつも〝かわいい妹〟って話し方をしてたんだ。でも絶対に狙ってると思ったから、早くものにすればいいだろってけしかけたら、大切すぎてできないって」
「え……」


 大切すぎてって。そんなふうに思っていたの?


「結局、電撃結婚するわ、デレデレだわで笑わせてくれる」


 肩を揺らす彼は実に楽しそうだ。


「すみません」

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