天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「いやいや。すごく幸せそうで俺もうれしいよ。俺たち、命を預かるという大変な仕事をしているから、癒される存在ってすごく重要なんだ」


 私、陽貴さんの癒しになれているのかな。


「今まで、落ち込んだときはお互いに励ましあってきたけど、ここを出るからそれもできなくなる。倉田をお願いします」

「いえっ、そんな……」


 唐突に頭を下げられて焦る。


「でも、困ったらアイツを頼って。香月さんのことは死ぬ気で守るって宣言してたから」

「えっ!?」

「今までいろいろあったかもしれない。だけど倉田は、香月さんが全力でぶつかっていたのはちゃんと知っているし、だからこそ傷ついたことも」


 日高先生は、陽貴さんから医療ミスについても全部聞いているようだ。


「はい」
「アイツ、脳は治せるのに心は治してやれないって肩を落としてたよ」


 まさか、そこまで?


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