天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「お前、器械出しのときに俺の手に触れただろ。それで手元が狂ったんだ。お前が患者を傷つけたんだ」


 そんな……。
 細心の注意を払っているので、決して触れてなんていないのに。

 八つ当たりだとわかっていた。
 けれども、目の前でミスによる命の危機があったのがショックで、受け流す余裕もない。


「近藤先生。ナースは触れてなんていません。よくやっていました」


 言い返せないでいる私を麻酔科の先生がかばってくれたが、「お前のせいだからな」と吐き捨てた近藤先生はオペ室を出ていった。

 そんな医療ミスがあったものの、ナースはもちろん私の器械出しを経験している他のドクターたちも皆近藤先生の気質を知っているため、私に非はないと守ってくれた。

 しかし、脳外の教授の指示で緘口令が敷かれ、医療ミスが起こったことすら闇に葬られてしまった。


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