天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「天野、季帆になついてるじゃないか。国枝たちに聞きにくいことは季帆に聞くと話してたよ。完全に信頼されてる」

「そうけしかけたのは倉田先生でしょ? あと、香月でお願いします」


 近くに人はいないが、いつ聞かれるとも知れないのだから。


「わかりました香月さん。ウェルニッケ失語を知っているクラークはなかなかいないぞ」

「たまたま知ってただけで」

「嘘つけ。脳外に好きな男がいるから勉強したんだろ」


 彼はうれしそうにニヤリと笑い、私の肩をポンと叩いてから立ち去った。


「な、なんなのよ」


 いちいちドキドキさせないでほしい。
 しかも、的を射ているので恥ずかしくてたまらない。

 その後ナースがふたり立て続けに戻ってきたが、私は顔が赤く染まっていないか心配になった。


 その日陽貴さんは宿直だったので、疲れた様子の天野さんを食事に誘うことにした。
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