天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「うん。脳外は特に重症者が多いからピリピリしてるよね。ミスが許されないのはわかってるんだけど、先輩たちも相当厳しいし。ドレーンの管理とか正直やりたくないかも」


 病院から離れたせいもあってか、彼女は本音を漏らし始めた。
 敬語をやめてもらったのは、気兼ねなく吐き出してもらいたいという思惑もある。


「責任重大だもんね」


「ドレナージを中止するときに、クランプを閉じる順序を間違えるとオーバードレナージになるの。あれ、緊張で手が震えちゃう」


 頭蓋内圧のコントロールのために、脳脊髄液を排出するチューブが入ったままの患者さんも多い。

 シーツ交換や体位変換などのときにそれを一時中断するが、いくつかあるクランプを閉じる順序を間違えると、過剰に流出したり逆流したりしてしまうので細心の注意が必要なのだ。

「国枝さんと一緒にやってるでしょ?」
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