天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「痛っ」


 不機嫌顔の草野さんは、敵対心丸出しの目で陽貴さんをにらんでいる。


「病院はナンパしに来るところじゃねぇんだよ。俺の許可なく季帆に触れるな」
「は?」


 ようやく腕を解放された草野さんは、間が抜けた声を発した。
 ドクターとしての陽貴さんは、普段こんな言葉遣いをしないからだろう。


「俺の女に手を出すなと言ってるんだ」


 陽貴さんの迫力に気圧されたのか、草野さんは一歩あとずさる。


「く、倉田先生の彼女でしたか。知らずにすみません」

「お前、余裕だな。高原先生のオペに酒の匂いをさせて入室して、オペ室出入り禁止を食らったくせに。どの病棟も外来も、お前を引き受けるつもりはないらしいぞ。もちろん脳外も」


 お酒が抜けないまま仕事をしようとしたの? ありえない。


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