天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「倉田です。よろしく。午後からオペがあるから、とりあえずカルテ見ておいて。香月、出してやって」
「わかりました」


 陽貴さんに指示されてパソコンを操り始めると、彼はあわただしくどこかの病室に行ってしまった。


「倉田先生の今日のオペは、慢性硬膜下血腫の穿頭術になります」


 門脇先生にカルテを見せて説明を加える。

 この患者さんは八十二歳の男性。
 六週間ほど前に転倒して右側頭部を強打したものの、そのときは異常を確認できず。

 しかし、歩行困難の症状が出て陽貴さんが診察したところ、血腫が認められたのだ。

 こうしてあとから症状が出ることはよくある。


「倉田先生ってまだお若いですよね。助手ではないんですか?」

「はい。執刀されます」

「そうですか。脳外は大変だぞと内科で発破をかけられてきたんですけど、そうでもないんですね」


 あれっ、勘違いしてる?


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