天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「倉田先生は田辺先生からの信頼も厚く、すでにかなりのオペを経験していらっしゃいます。でもお若くして執刀医を任されるのは、かなり特殊な例のようですよ」


 私はあわてて付け足した。

 前期研修医の先生は、様々な診療科をローテーションして学ぶ。

 どの科もそれぞれ大変なことはあるけれど、脳神経外科や救急のあたりで音をあげる先生が多いと聞く。


「倉田先生は特別だよ。脳外選んで失敗だったかもと思うくらいにはしぼられる」


 そこにやってきたのは専攻医の奥村先生だった。


「あっ、今日からお世話になります門脇です」

「専攻医の奥村です。野上の脳外は精鋭ぞろいだから勉強になると思うよ」


 ふたりはあいさつを交わす。


「香月さん、カルテ手伝ってもらえる?」


 奥村先生は門脇先生を追い出して私の隣のイスに座った。


「もちろんです。でも門脇先生……」
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