天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「ま、待ってください。今すぐやります。今すぐ!」


 奥村先生は顔を引きつらせて離れていった。


「モテモテだね、香月さん」
「なっ……」


 彼はギロリと嫉妬の眼差しを向けてくるが、私は仕事をしていただけでしょう?


「お前は俺の女なのにな」


 立ち上がる寸前に私の耳元でささやいた彼は、門脇先生を呼びに行った。



 それから一週間。
 猛暑の今年は九月下旬になっても気温がまだまだ高く、汗ばむほどだ。

 最初は余裕そうだった門脇先生は、暑さのせいか仕事がハードだからか、朝からぐったりとしている。
 おそらく後者だろうけど。


「先生、大丈夫ですか?」


 ナースステーションの大きなデスクに突っ伏している彼に声をかけると、ゆっくり起き上がった。


「ここの先生はどれだけタフなんだ」
「ですよね」


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