天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「E3V3M5というところでしょうか。この患者、このまま回復しそうですね。大きな事故だったようですが幸いでしたね」

「いや、問題だらけだ」


 門脇先生の発言に陽貴さんは眉をひそめる。

 門脇先生が口にしたのは、患者さんの状態を示すグラスゴーコーマスケールというもので、救急や脳神経外科ではよく使用される評価方法だ。

「開眼」「言葉の応答」「運動機能」をそれぞれ数値化したもので、片山さんの今の状態は中等症に入るのだが、ICUでは重症の状態が続いていたと聞いている。


「脳腫脹や再出血の可能性があるということですか?」

「その可能性は大いにある。なかったとしても、患者はバレーボール選手だ。いや、そうでなくても――」

「倉田先生。814の有賀(ありが)さん、心電図が気になるのですが」


 会話の途中で師長が割って入る。


「洞性徐脈が出ていますね。すぐに行きます」
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