天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「はい。実はさっきお母さんからお聞きしたのですが――」


 所属チームから戦力外通告を受けたと知らせると、彼は天を仰いだ。


「厳しい現実だな」
「はい。お母さんがとても伝えられないと」
「うん」


 彼はそれきり黙ってしまった。


「でも命が助かったのですから、それでよしとしないと。オペが遅れていたら亡くなっていたかもしれないですし」


 門脇先生が口を挟む。


「それでよし、だろうか。搬送されてきたときの状態では、助けられるかどうかは五分五分だった。だから俺たち医師は、命をつないだという満足感がある。ただし、患者も同じかどうか……」


 陽貴さんはスクッと立ち上がる。


「香月、サンキュ。あとは任せて」


 彼は私の肩をポンと叩いて出ていったが、その横顔はひどく悲しげだった。


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