天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「ごめん。朝食作りさぼっちゃった」
「目覚まし切ったのは俺だから。季帆は俺ほど体力ないだろ?」


 その通り。あんなに激しい運動をしておいて、朝から元気はつらつな彼の体力は恐ろしい。


「私も筋トレしようかな」
「季帆はいらない。この抱き心地がたまんない」


 彼は私をうしろからフワッと抱き寄せささやく。


「ずっとこうしてたいな」
「遅刻するんでしょ?」
「あっ、まずい」


 彼はあわてて離れたが、私にキスを落とすのは忘れなかった。



 それから二週間が経過した。

 陽貴さんは私を激しく抱いたあの日以来すっかり自分を取り戻した様子で、黙々と、しかし丁寧に治療を続けている。

 片山さんのお母さんと話し合いの時間を持ち、戦力外通知を受けたことはもう少し伏せておくという結論に至っている。

 今は治療に専念させたいというお母さんの希望が強かったからだ。
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